ナビが誘うゴールドウィング邪道行

ゴールドウィング1800の巨大な体躯が身を大きく左右に振りまわしながら、農道、村道、あぜ道をノンストップでつなぎ走るというのは、大陸弾道系ツアラーにとってはかなり邪道であろう。
へんてこな道、おもしろそうな道あらば、直感のみでその道を選び、あとは走りながらタッチパネルのDVDカーナビゲーションシステムを操作して、次々とルートを設定していく。GWにはコンピューター制御のオートクルーズがついているから、タッチパネル・ナビとの組み合わせでじつにおそるべき弾道力を見いだした。
ゴールドウィングはスリヌケはできる。が、得意ではないし、できればやりたくない。
しかし、へんてこ道をつなぎ走ることによって、行程のほぼすべてを渋滞なしで走ることができるのだ。
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●転落の恐怖と戦ってこそ、心を打つ写真が撮れるのである。はるか下界に鉱石のように輝く町の屋根屋根が美しい。(青木峠・国道143・長野県)

また、今回のバトルツアーでは新しい試みも行なった。
「走りながら撮影」の国内屈指の専門家として、ぜひとも一眼レフにチャレンジしたかったのだが、走りながら一眼レフを使うためには、アクセル側の右手を離さなければシャッターが押せない。
しかしオートクルーズがついているゴールドウィングなら可能だ。ここに掲載した写真のいくつかは一眼レフで撮影してある。
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酷道として名高い青木峠(国道143・長野県東小県郡)だが、峠の東側は路面も安定し景色もひらけている。カーブが描く弧と、ミラーの中のカーブの弧との連続性に意匠ありの<走りながら写真>である。
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●四十八曲峠(長野県道55号)

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●修那羅峠(長野県道12号)は名前からも仏教色が色濃いが、千体の石仏があるという。しかし、峠自体はいろは坂を思わせるローリングスポット。千体の石仏のうち、ひとつも気づかぬほど走りに夢中になるはずだ。
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●青木峠(国道143・長野)の頂点は信号のあるトンネル。タッチパネルナビに映しだされた酷道の激しい曲折が気合をそそる!