引越屋選定と通信環境構築にてこずる

 これまでほいほいと進んできた移住プロジェクト。
 引越屋の選定は3日目に突入してもまだ突破口見えず。粗大ごみの処理をみんないやがる。広告には「粗大ごみも、おまかせください!」なんて胸をどんとたたいている、いさましい絵なんかがついているのに、いざ電話すると、「うちでやると高くなるから、市にお願いした方がいいですよ」とか。
 モノを捨てるのにこれだけのエネルギーとコストがかかるのであれば、不法投棄も絶えないわけだし、ものを買うのも慎重になりそうだ。時代と環境を考えるとこれでいいのかもしれない。景気は悪くなるだろうけど。
 北海道旅芸人生活でも、最大の問題はゴミと洗濯だった。全国展開のコンビニチェーンが北海道を均質化すると思っていたが、無料でゴミを受け入れてくれるのはコンビニしかないのも現実。町によってはコンビニでさえ、「行政の指導により、一般ゴミのゴミ箱を撤去させていただいております」とあった。
 モノを食うとゴミがでる。お持ち帰りくださいというのは勝手な話で、それはどこか別のところで捨てろという意味でしかない。ましてや流浪の旅人はどこに持ち帰ればいいのか。もし北海道の自治体ぜんぶが今後そんな方向にむかっていくのなら、観光客はいっさい受け入れないことだ。有料化はいい。しかし「持ち帰り」の付け焼き刃看板はこの日本からなくすべきだ。
 通信環境もてこずった。不動産会社は光ファイバーのインターネットマンションにすると言っていたが、移住日が近づいてもぜんぜん埒があかない。けっきょく不動産会社(管理会社)に通信関係を委託されている会社の電話番号と担当を聞いた。すると「これから調査に入る段階で、そこから数か月はかかるだろう」とのこと。それじゃ、その調査って誰がやるのかと問えば、NTTの人だと言う。
 プロバイダに電話しても、最後は「NTTじゃないと分からない」
 で、NTTに電話。本局から小田原にまわされたものの、たらいまわしではなく整然と連携していく対応はみごと。
「お客さまのマンションに、Bフレッツの機械はすでに入ってますね。あとは部屋まで線を引く工事だけですみます」
 な、なんと、もう来てるんじゃないか! 調査とはなんだ調査とは。工事の段取り、通信機器の詳細、日程の詰めなど、じつにてきぱきと進めてくれた。NTT小田原、素晴らしい! おまけにプロバイダとのやりとりも代行してくれるという。NTT小田原第三受付、すごいぞ。これで第三受付なら、第二受付はもっとすごいのだろうか。第一受付に至っては首相とホットラインを持っているかもしれない。
「あー、おれ。こいずみ」
「かしこまりました。では本日3時までに」
 なんの話だっけ?
 不動産屋に状況を伝え、引越日の21日の前日に、事前立ち会いも兼ねて小田原に行くことになった。パソコンと自転車とドカティを先に小田原に搬入し(もちろんドゥカティは自走)、部屋の引き渡し立ち合い、光ケーブル工事、通信環境設定・・これで20日は終わるだろう。松戸にとんぼ返りして翌21日に引越業者とやりとり。
 待てよ。TZR50はどうするんだ?
 引越屋のトラックとワイフのインプレッサが高速道路で小田原に向かっているあいだ、俺はあくせくと原付で都心抜けをして下道を行くのか・・考えただけで体中の毛穴が広がりそうだ。