魔女裁判

魔女裁判のあとをふり返ってみて、しみじみ感ずることは、魔女裁判(いや、それを含めて宗教裁判一般)を一貫している「モラルの倒錯」である。そこでは、残虐、違法、偽善、欺瞞、貪欲、不倫、軽信、迷信、歪曲、衒学、・・およそ思い浮かべられる限りのあらゆる不義、悪徳が、むしろ正義、美徳として、なんのためらいもなく、確信に満ちて堂々と行われているのである。この確信が、あらゆる不義と悪徳を正当化している。
(森島恒雄『魔女狩り』岩波新書

 現代の日本は、漠たる不安と不確かさに満ちている。案外、理想的な状況なのかもしれない。

魔女狩り (岩波新書)

魔女狩り (岩波新書)