VANSONワンスター

 VANSONワンスターの背中を見せつけ抜き去って行ったZZR1100。場所は第三京浜。
 1990年、夏のことだ。
 その冬、まぶたの裏に焼きついた残像を手がかりに図面を書き、CORINのレザー館で10万円でつくってもらった。以来、北海道、東北、四国、九州・・このワンスターであちこちを走った。新婚旅行も、娘が生まれた病院に駆けつけたときも。15年。ずいぶんくたびれてきた。
 今ではVANSONというメーカーのものであることも知っているし、インターネットを使えばどこでも手に入る。記憶の誤差で生まれた、ちょっと本家とは違うワンスターへの愛着からなかなか離れられなかったが、いよいよ人生後半のためのワンスターとして本家VANSONで新調しようかという気になってきた。これから15年着れば、俺はもう50だ。ツルシではなく、いくらかかってもいいからオーダーでひとひねり入れてやろうと画策していた。
 たまたま皮革屋さんのサイト運営の仕事をしていて、参考サイトとしておしえてもらったオンラインショップに、なんとVANSONワンスターを好きな色でカスタマイズしてくれるところがあった。そのカスタマイズの行程もじつにシステマチックで、料金も定番モノとほとんど変わらない。意気込んでいただけに、逆に拍子抜けした。
 写真はカスタマイズのサンプルとして出ていたもの。
●EmptyGrage>>http://www.emptygarage.jp/star.html