紅葉の西湖。父と娘の初ロードレース

 富士山の澄明な空気と最盛期の紅葉を満喫できるイベントとなった。
 レース当日は終日交通規制がしかれるから、まさに紅葉の西湖を独占する贅沢。
 娘は小学校低学年10kmレースに参加。僕はチーム・タイムトライアルと下位クラスのロード(20km)に参加。タイムトライアルはいっしょに走るのは味方だけなので楽しかったが、今回、僕にとってはじめてとなるロードレースの方は、ひたすらコワかった。
 西湖2周で争われるレースはローリングスタートではじまる。オートバイが選手たちを先導し、ある程度走ったところでスタートとなる。いつスタートとなるかが分からず、そのまま1周回を終えた。ずっとローリングスタートがつづいているのかと思っていた。それぐらい全員が牽制しあって低速のまま超密集。
 密集の中にいると体力は楽だが、接触が怖くて精神的に疲れる。殺気だつ雰囲気を和らげようとギャグを飛ばすも効果なし。腕時計を見たり、マンホールをよけたり、段差を飛び越えたりして走っていたら、フラフラすんな!と怒鳴られた。ごめんちゃい、と謝ってペダルを踏み、先頭に踊りでた。
 忍耐せよと言われていたにもかかわらず、けっきょく半分の行程を残して先頭に立ってしまった。中盤のトップの位置は誰もやりたがらない。だから安全であることは間違いないが、向かい風と登り坂の矢おもてに立って男気で走ってみたが、勝負としてみればただの馬鹿。一瞬だけキチガイみたいに飛ばして前にでる益荒男がおるなぁと思えば区間賞狙いだった。すぐまた先頭にもどるも、ゴールスプリントをしかけるポイントのずっと手前で失速。ずばずば抜かれて男泣きしているうちに足が回復、うぬれと失速していた2機を抜き返すも入賞にははるか届かず・・。
「でも、名前が二回も放送されてたよ。二回とも間違ってイチカワって言われてたけど」
 と、いつものように単純に喜ぶ家族。気がかりなのは、いっしょに走っていたチームメイトが落車で骨折したらしく病院に搬送されたこと。昨年、チャリを納車したばかりのころ、はじめてのツーリング(筑波山*1に連れていってくれた人なだけに心配である。
 このあと上位クラスのレースを観戦し、チャリの奥深さに感じ入った。二日間のあいだ紅葉に包まれ、家族も大満足のイベントだった。