キョンキョンが<ジャンジャカジャーン!>とシンバル

企画稼業20人のクリエイターのアイデア発想法。
CMや広告の図版が豊富で、歴史に残るような広告がどのような人たちの手でどのように生まれたのかが分かる。
広告は広告主がお客さんである以上、クリエイターのものではない。突き抜けたアイデアほど広告主の理解は得られない。
同時多発テロの直後の航空会社の広告に、「ニューヨークへ行こう!」の全面広告を実現させ得たのは何か? 意外にも企画会議上でのケンカ腰ともいえる挑発に端を発していたり。
JRの「その先の日本へ。」広告シリーズは、地方の駅長さんの凛とした敬礼姿を通して、JR東日本に受け継がれている鉄道への熱い思いと、背景にひろがるみごとな景観によって観光客へのアピールを(媚びずに)実現した傑作広告だった。が、この広告を手がけた人が、「キョンキョンが<ジャンジャカジャーン!>とシンバルといっしょに登場するんです。これしかありません!」とあっけらかんと言い放つ佐藤雅彦の才能に鳥肌が立ったと言っていた部分は特に印象的だった。
トップクリエイターになっても、それぞれの発想法の上にそれぞれの表現がある、ということか。
つづけて佐藤雅彦の『イメージの読み書き』を買ってしまった。