雪の大壁を弾道す

 テレビニュースで冬期閉鎖から開通したばかりの志賀草津道路が映っていた。
 左右10メートルの雪の大壁にはさまれた道路を一般車両が走っていた。例年にない大雪で、有名な立山黒部アルペンルートのような大迫力の雪の大壁が実現したようだ。ふと、ここをチャリで登坂しているおのが姿が、厳しくも美しい難行の構図が頭をよぎって、とりこになった。
 その晩、クルマにチャリを積み、ワイフの運転で北上。
 日曜早朝、家族と新潟側から志賀草津に降り立った。
 雪の大壁を、上から見おろす。気温2度。
「寒いな」
「やるの?」
「へへへ」
 あっさり挫折。少し下って気温が5度まで上がった場所にクルマを停め、娘と雪遊びでお茶をにごした。


 午前8時。麓の草津温泉へ。湯畑に行くと、無料の温泉施設があった。入らずに帰ってしまうあたりが、わが家らしい。


 午前11時。妙義山。満開の桜のトンネル。雪のように降る花びらにダイブ。わが家の女の子たち歓声。


 午後3時。高尾山。本年のミションであるヒルクライム道場。のはずが、自転車進入禁止。