カラマーゾフ的な愚痴

 この場合、愚痴はその心をいっそう掻き乱し、張り裂けさせることによって、わずかに慰めとなるばかりなのである。こうした悲しみは慰めを求めようとはせず、慰められることのない悲哀の情を餌に育ってゆく。愚痴は単にひっきりなしに傷口をつついていたいという要求にすぎないのだ。
ドストエフスキーカラマーゾフ兄弟』小沼文彦訳)

 愚痴の多い人は、案外、パワフルである。