月決めおこづかい制、試験導入

 9歳の娘は自分で買い物をしたことがない。
 当家は専制君主的な配給制なので、必要物資、機材に関しては一方的に与えるやりかただったが、成長してくれば、そのうち小遣いや携帯などを要求して蜂起してくるだろうと思っていたら、いつまでたってもその気配がない。
 思いだすに、僕が小学四年のときは、学校で闇商売をやったり(機材投資と営業利益の概念を知った)、買い食いをはじめ濫費・浪費はすさまじかった。商売が下火になり、金がなくなって親の財布からちょろまかし(零落と犯罪の概念を知った)、親からの抜き打ち自室捜査と数時間に及ぶ詰問で最後に自白(ガサ入れと尋問の概念を知った)・・こうした一連の社会的サイクルを経験した時期であった。
 自分のこづかいでノートや教材などの必要物をやりくりさせ、毎月残った分を少しずつ貯めるもよし、買い食いで消尽するもよし、金銭感覚の花嫁修行。多重債務カード破産妻になるか、「ステ奥」愛読倹約妻になるか、その片鱗が楽しみである。
 こづかい制を切りだしたら単純に喜ぶかと思ったら、複雑な顔をして、あれこれ質問してくる。小さな脳みそフル回転で損得勘定をしているらしく、「前に決めたこと、もう壊しちゃうんだ」と批判めいたことさえ言う。前に決めたこと、というのは「青い鳥文庫」の無制限給付制度のことである。確かにこづかいで調達すると、月に1冊買うのも厳しい。青い鳥文庫に関しては労使折半とする暫定案でしぶしぶ納得させた。
 さっそく学校から手紙で、紛失したファイル110円の請求が来たので、自己負担させた。
 僕の仕事の方はGW明けに入る予定だった5件のうち4件について延期の連絡あり。
 時間ができたので、ハーフトライアスロン程度の負荷で走りこんだ。

ラン 21km
スウィム 2000m
チャリ 17km(石垣山登坂2往復+α) 登坂高度470m