トライアスロン引退

 悲願のアイアンマン・トライアスロンをなんとか完走できたので、かねてからの予定通りトライアスロンは引退。
 これからはトラ隠居として、トライアスロンで培った精力・気力を、ときには濫用して大いに遊び、ときには世のために生かしたりしたいと思っています。
 僕自身は、ちらっとトライアスロンの片鱗をのぞいただけですが、ほんもののアイアンマンたちを直接目にして、人間ここまでいけるんか、という純粋な感激と怖れを抱いた。特に年齢、性別、障害、これらをモノともしない鉄人を何人も見て(というより、抜かされて)、人生後半にむけて力強い気合と祈りをもらった気がします。
 当ブログでのトレーニング日誌もおわり。あとはトライアスロン挑戦3部作をしっかり書きあげた上で、頭ではなく肉体が紡ぎだす文章修行に精進していきたいと思っています。
 そんでもって、あああ〜解放感・・と、のびのびした気分でいると、つい体を動かしたくなって、ここ数日もラン・スイム・チャリの3種目を毎日やってたりして、しかし、これは趣味でやっているのでトレーニングにあらず。
 土曜日は一家で温泉でも入りに箱根ランニングなんてどうでしょう、と提案しようと思ったら、ワイフは仕事で東京に行くと言う。娘も連れて行くというので、休日の早朝からひとりになってしまった。
 ここぞとキャバレエの女と物見遊山にでも、と思ったが、1年間トレーニングにうつつを抜かして、ケアをまったくしなかったツケで、もはや誰も相手にしてくれそうなのがいない。
 五島列島土産の五島うどんが置きっぱなしになっていたので、これを相模原の宮さまの家まで届けようと思いたち、しかしオートバイがあるわけでなし、天気のいい日にクルマというのもなんだし、と、けっきょくチャリで行った。
 ただ行くのもなんなので、「男はアウター」という新企画を思いたち、インナーギヤを使わず、アウターギヤだけで走るというシンプルで熱い遊びに興じることにした。
 死ぬ気でペダルを踏んで燃え尽きてみよう、と思って時速40キロ(追い風参考)で走りつづけたが、意外に宮さまの家までの53kmを失速することなく踏破してしまった。
 復路は、今度こそアウターで燃え尽きてみようと、ヤビツ峠越えルートをとったが、これまた失速せずに踏破してしまった。
 今度こそ燃え尽きようと、秦野からもうひとつ峠を越えてみたが、ぎりぎり失速なしでの踏破。
 足柄平野に入ってからは、平地の向かい風がきつかったので、よし最後にアウターで燃え尽きてみようと、時速30キロを切ったら、悪の組織が仕込んだ巨大核爆弾が爆発して人類が滅んでしまうのだと、勝手に使命感を胸にひた走ってみたが、口から泡を飛ばしながらも、失速なしで踏破してしまった。
 休憩は宮家に土産を渡しただけで、信号やら全部込みで6時間弱、137km。
 ここまで懸命にチャリで走ったのははじめて・・ではないでしょうか。足がぶわーんとだるく、腰も痛くて、なんか無性に暴れたい感じだったので、全身潮吹き汗臭のまま、たったかランニングで5.5km離れたプールへ。
 プールを風呂がわりにするのはやめましょう。スイム1800m。
 そろそろワイフが東京から帰ってきそうな時刻だったので、プールを出て、駅方面にむかってランニング。駅に着いたら電話がかかってくるだろうから、それまで、ぐるぐる駅の周辺をランニングしながら電話を待つ。やけに体が軽い。それもそうだ。実測値で前日比マイナス5kg。
 13km走ったところで電話があり、ワイフと娘と駅前の居酒屋で合流したら、汗だくの僕を見て、
「お、おとーさん! どーしたの?! 目が、ぴかーって光ってるよ!!」
「いやさぁ、趣味で走ると、なんか、すごい楽しいんだわ!!」