ばらばらで崩壊した家族が、のっぴきならぬ旅に追い込まれ、旅を通じて家族の姿を取りもどしていくという、コメディタッチのロードムービーの定型。とんちんかんなダメ父がもたらすどたばた、途中で壊れるワーゲンバス、急死するおじいちゃんなどの事件などの諸材料もおもしろいが、定型内。おじいちゃんの死体をかつぎ出すところはイケてただけに、せっかくの死体、もう少しイジりようがあっただけに惜しい。このへんの細部の笑いは、最近の日本映画が得意とするところなので、日本でリメイクできればかなりいい味がでそうな素材。
しかしながら、物語の軸となっている子どものミスコンの結末に、安易なハッピーエンドに持ち込まず、けっこうシビアに終わらせたところは、気持ちよく期待を裏切られて喝采。
長男の存在は、小説(文章)などでは表せないキャラクターで、俳優の演技に喝采。
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