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『家族ゲーム』本間洋平

勉強のできる者とできない者、スポーツの得意な者と不得手な者、冗談の上手な者と無口な者、立場の違う者同士が最大に友好関係を保とうとする場合、互に無関心を装い口を利かないという暗黙の了解があったはずだ。


 同タイトルの邦画(森田芳光監督)は松田優作が演じる家庭教師役であまりにも有名。原作が第五回すばる文学賞受賞作だったと知り、読んでみた。
今から四半世紀前の崩壊家族像だが、戯画的に映し出される父母の姿は笑えないほどに痛ましい。映画にはなかった家庭教師の苦悩も見える。
 崩壊家族像の変遷はこの作から15年後に芥川賞を受賞する『家族シネマ』(柳美里)において、さらに戯画性が昇華され、家族の映画を撮るという究極の設定の中で「演」じられることになる。多かれ少なかれ現実の家族もそれぞれの役割を演じてはいるのだけれども。


家族ゲーム (集英社文庫)

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