原作を読んだあとに映画を観ると、びっくりする。
換骨奪胎という言葉を実感した。
家族構成と家族の名前、家庭教師が出てくること以外は、ほとんどまったく別物の作品。シーンも原作にはないシーンがほとんどだし、セリフもそうだ。松田優作演じる家庭教師のキャラクター設定も異なる。名演技、名シーン、名セリフと言われる部分は、ほとんどが脚本・監督の森田芳光の手によるオリジナル。ここまで手を入れられると原作者はかなり落胆したのではないかと心配になる。作者の本間洋平は「家族ゲーム」以外の作品が見あたらないが、書くのをやめてしまったのだろうか。