最近、プールではバタフライの練習にうつつを抜かしている。
今までできなかったものが、少しずつできるようになっていくのは、うれしいことだ。ましてやバタフライなど、できるものかと諦めていたものだし。
とりあえず25mはなんとか、モガきながら到達できるようになった。
今日もいつものようにモガいていると、同じコースで泳いでいた若い男性に「こんにちは」と声をかけられた。
見たことのない人なので入会したばかりの人だろうか。こんにちは、とあいさつすると、彼はこう言った。
「あの、このプール、水の中から声が聞こえません?」
い、いや、とくに・・と応えると、彼は、ああそうですか、と言って安心したような表情で泳ぎはじめたが、僕の方はしばし背筋がぞぞ〜っ立ち尽くし、泳ぎだしてみても、なんだか声が聞こえるような幻聴に悩まされ、早々に逃げ帰ってきた。
ああこわい。