媚びの武器としての不器用は軽い笑いを誘う可愛いものだけれど、本当の不器用は、愛嬌がなく、みじめに泥臭く、見ている方の人間をぎゅっと真面目にさせるから。
(綿矢りさ「インストール」)
自分が間違っていたなんて絶対に認めたくない。そのためには自分のスタイルに根拠のない自信を持ち続けなければ生きていけない。たとえその滑稽さに内心気づいていたとしても。
(綿矢りさ「インストール」)
綿矢りさ17歳のときに文藝賞を受賞した作である。のちに20歳で芥川賞を「蹴りたい背中」で受賞。
上記引用部分を読んだとき、17歳の女子高生に38歳になろうとしている男が内心を見透かされている気がしてぞっとした。
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