ワンボックスカーは、「住まい」では実感できない「家族」という意識、一体感をある程度は満喫できる。取りもどすことができる。でも、それはまぎれもなくリビングルームでも実感できたはずである。しかし、ワンボックスカーこそが現代のリビングルームになってしまった・・。
藤原智美は芥川賞作家。「家」に関する書物をものしているが、これはそのひとつ。
子どもの個室引きこもりが家族の集うリビングルームを骨抜きにし、携帯電話がダイニングルームから家族の静かな団らんを奪った。
フルサラウンドのAVに間接照明、革張りシート・・豪華なワンボックスカーの内部は、現代日本における家族のいるリビング・ダイニングルームの最後の生き残りだったとは。
関係ないが、モニタがやたらたくさん並んで同じ映像を放映しているヤンキー仕様ワンボックスカーは、ちょっと憧れる。
家族を「する」家―「幸せそうに見える家」と「幸せな家」 (講談社プラスアルファ文庫)
- 作者: 藤原智美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/05
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (5件) を見る