小学6年と39歳

4月から娘は小学6年。そして私は39歳になった。
娘は美しくなり、私は衰えが顕現。
汗をかくと加齢臭がする。まだ全身ではないが、尾てい骨周辺の汗腺からオヤジフェロモンを出しているようだ。
白髪も両サイドがひどい。見ているといらいらするので、少しでも髪が薄くなってくれれば憧れのスキンヘッドにしたいものだが、まだ妻子が許してくれない。短髪はアスリートっぽくなってしまうので避けたいし。


総括すると、この1年、つまり娘が10歳でできるようになったことは、以下。

  • 留守番ができるようになった
  • なんとか、ひとりで風呂に入れるようになった
  • ラーメンとか簡単なごはんを勝手につくれるようになった


上記は私にとっては劇的なことである。
子育て最優先で生きてきた十年間から、ほっといてもだいじょうぶになった。やっと憧れの出張もできるようになった。壁にはってある写真・・ハルレイ・デビドソン・ファクトリーカスタム・ウルトラクラシック・エレクトラグライド、略してFLHTCU4-CVOにまたがり、全国巡礼に旅立つなんて日も遠くはない。いや、忘れてた・・借金があった。


あかわらず変わらない点

  • トイレ使用中にドアを閉めない


私に関していえば、100kmマラソン完走や石垣山チャリ登坂5往復達成など、いろいろと大願なり悲願やなんかもあったが、自己水準が甘いこともあり、なんだかだいたいのところ終わっちゃった感じで、あとは芥川賞受賞の電話をキャバクラで受けるとか、ハルレイ・デビドソンで悪そうなトモダチとチョッパー巡礼をするとか、まったくもって急ぐ必要のない事柄ばかりなので、39歳からしばらくは特にすることもないし、これといった目標もない。んで、特に意味はないのだが、だらだら〜っと変わることなくつづく日常生活のすべての挙措を逐一、高度なアルゴリズムをもって数値化、ひいては可視化し、漫然たる低刺激な生活の実態を炙り出すことにしたのである。


このきわめて高度な数学的試みに援用されるソフトウエアーとして選ばれたのは、マイクロソフト社製エクセール・Macintosh版である。
エクセールの横軸には月日が並び、縦軸には項目が並ぶ。
項目には、クルマ出動、スクーター出動なんてものから、煙草、トイレ掃除、バスマット洗濯、芳香剤交換、圧力鍋稼働といった生活的なもの、スイム、ラン、バイク、石垣山登坂、ストレッチ、腹筋といった運動系もあり、チャリにしても、機種ごとに稼働を数値化している。
へんなものではレザーパンツ稼働、油料理、ベランダ掃除、パイプマン、なんて項目もある。
とりあえず40日記録してみたところ、私の生活は、1位が軽商用車、2位にスクーター、3位が煙草である。
反対に圧力鍋やサーベロは稼働ゼロである。


ハードロハスとしては、軽商用車は乗りすぎで、できれば現在ランキング5位のランニング以下に抑えたい、とか、スクーターはけっこう稼働していて投資効果は高いからチタンマフラーを買ってもいいんじゃないか、とか、圧力鍋は稼働しないのならシンク下の一等地に置いておくのではなく、物置に入れちゃっていいんじゃないか、あるいは廃棄の可能性も検討に値するのではないか、とか、つまり、このデータをもとに、家内における備品の配置の効率化および、投資に対する費用対満足効果の検証の依拠データとして有効なのである。



さて、このデータ化を試行してみて、もちろん問題は日々生じている。
煙草と、トイレ掃除と、ストレッチ・・これらまったく異なる属性のものを、どのような指標のもとにソート可能な数値として平準化するのか・・そのアルゴリズムの根幹となっている係数は企業秘密である。
と、弟に言ったら、彼は即座にこの係数の本質を看破した。
「それは兄貴の願望係数だな」