今年の初登山


 昨年はイノシシみたいに野山を走りまくってましたが、今年は一転、山行は皆無。
 このまま2009年も終わるかと思っていたら、娘が「山に行きたい」と言いだして驚きました。
 山に行くたびにいちばんイヤな顔をしていた人は、まちがいなくこの娘です。
 どういう風の吹きまわしだろうと、うやむやにしようとしていたら、「山に連れて行け」となかば強要してくるではありませんか。
「今日行こうよ」
「今日はムリだろう」
「じゃあ明日」
 という感じで、けっきょく娘主導企画の矢倉岳ハイキング。









 登山の起点と終点の場所が5kmほど離れていたため、妻子をバス停に残し、単独走でクルマを取りに行きましたが、大量のランナー軍団とすれちがいました。足柄峠を越えていくらしく、男女の猛者ぞろいという感じ。
 外車のスポーツカーで軍団のサポートをしている男性が、バス停で妻子と話をしていました。クルマで走りだしてからワイフが、
「ギリシアのなんとかっていう300kmぐらい走る山岳マラソン完走したらしいよ」
スパルタスロン?」
「それそれ。100kmなんて楽勝って言ってたよ」
「そりゃそうだろうねえ」
「フルマラソンもサブスリーなんて余裕だって」
「そんな話もしたの?」
「一方的に喋ってたって感じ」
 そこで娘が、
「せっかくイケメンなのに惜しいなあ」
「その人さあ、チームの女性ランナーのこと、『うちのこ』とか言ってなかった?」と僕が訊くと、
「言ってた言ってた」
「惜しいなあ」