超音波診断画像で疲労骨折の可能性が疑われるということで、紹介された整形外科クリニックでレントゲン写真を撮ってもらいました。
足部の疲労骨折は4週間ほどで治癒するということで、治癒した痕跡が写真に映っていましたが、現在の痛みがあるところとは異なる箇所でした。
レントゲンで黒い像としてクラックが見えるほどの疲労骨折になってしまうと手術するしかないらしいのですが、幸い、まだ像は出ていません。今のうちに少し負荷を落としたり、フォームを矯正したりするしかないようです。
整骨院には引きつづき通院していますが、今日、生まれて初めてハリと灸をやりました。
ハリは痛くないところもありましたが、お腹なんかはけっこう痛かった。
灸はいちばん弱いやつにしてもらったのですが、やっぱり熱かった。
骨盤や背骨の歪みを矯正してもらったりして、なかなかすっきり。
施術後、なぜか身長を測定されました。身長が1.2センチ伸びてました。背骨のひずみを正した結果だそうです。
蜂蜜の摂取を勧められて、うちの近くにある蜂蜜専門店を紹介してもらいました。蜂蜜専門店?
おもしろそうだったので、帰りに海開きしたばかりの閑散とした浜辺を走り抜けて、石垣山近くの蜂蜜屋に寄ってみました。
民家風の建物ですが、敷地内に工場もあるようです。
インターホンを鳴らすと、初老のハードな女性が出てきて、何の用? とでも言いたげな表情。ちょっと怯みながら、
「みかん蜂蜜がほしいんですが」と言うと、
「あなた、これがいくらするか知ってるの?」
なんでも、固定客しか買わない究極の蜂蜜だそうで、みかんの花が咲く前から予約を入れるようなヘヴィ・リピーターでなければ入手できないというような話をしてくれました。
「1万5千円よ。しかも、卸の値段だからね」
もうこのときは、軽々しく「みかん蜂蜜」の名前を口に出したことさえ後悔しはじめていました。けっきょく、みかん蜂蜜は断念し、3千円の国産蜂蜜を買って帰りました。
あとでよくよく考えたら、3千円の蜂蜜にしても、ふつうでは絶対に買えない高い値段なのですが、そのときは、場の空気というか、なんかえらく安いものに思えてしまいました。
いつか私もみかん蜂蜜を売ってもらえるような偉い人間にならねば、と思いました。
さて、3千円の蜂蜜をパンに塗って食べようと、そのまま近くのボンジュールベーカリーに寄りました。ここのパンは知る人ぞ知る名品です。値段がやや高いのですが、蜂蜜もあることだし気分は奮発モードで。
昼過ぎだったので、食パンは一斤しか残っていませんでした。ふつうのスーパーで売っている食パンよりも、ちょっと小ぶりな6枚切りの食パンです。
選択の余地もなくそれを手にとってレジに行くと、
「ごめんね。これ昨日のやつだから、100円引きにしときますね」
食パンで100円引きにしたら、いくらにもならないだろうと思っていたら、
「じゃ、300円です」
なんという高価な食パンでしょうか。たぶんもう一生買えないでしょう。
ずいぶん贅沢な昼食になってしまいました。
味の方は・・すみません、正直、どうも違いがよく分かりませんでした。
しかし、ハリ灸を初体験したことと、「みかん蜂蜜にふさわしい人間」という人生の大きな目標ができて、貴重な一日でした。
P.S.
こういうことをしているようでは、人間として大きくならないと思いつつ、誘惑に負けて調べてしまいました。