足柄峠無着陸登坂

 11月3日にヤビツ峠無着陸登坂を達成*1したばかりだが、2005年最後の激登無着陸アタックはかねて気になっていた足柄峠に照準を定めた。
 午前11時過ぎにORBEAオルカ号を本陣より射出。酒匂川沿いに酒匂川青少年サイクリングロードを遡上しつつウォームアップ。ナビを持って行ったにもかかわらず峠へのアクセスに迷い、想定外の無駄足を使ってしまった。レーシングスピードを保ちながら登坂開始。紅葉を見ながらのコークスクリュー。すれ違ったチャリ一機とあいさつを交わす。2ストロークのオフロードオートバイに抜かれたあと、しばらくカストロールオイルのイチゴのような甘い匂いで吐きそうになった。ふだんは好きな匂いだが登坂中のチャリにとっては酸欠をもたらす強敵。このオフロードオートバイ、どこかで休んでいたのか、激登中にまた抜かれた。激しい吐き気。むせながら走る。
 足柄峠の東側ルートは激登のコークスクリューが特徴だが、比較的交通量が少なく、紅葉も美しい。高度が上がるほど視界が開け、ゴール地点には茶屋、トイレ、公園もあり、達成の充足を満喫できて、やり甲斐のあるルートだった。足を休めるポイントは少なく、距離もあることから登坂はけっこうハードで健脚向き。万葉公園を歩く観光客のあたたかい視線のトンネルをくぐり抜け、足柄峠到達。
 最高高度733m、起点からの登坂高度712m、最大勾配14%、平均勾配6%で、登坂ルート長15.5km。
 煙草を一本吸い、御殿場側に下る。温度変化が激しいせいか、冬の登坂は予想以上に体力を消耗するようだ。関節の痛みも予定より早くきた。しかし折々見える富士山と裾野の町並みの眺望が素晴らしい。
 不本意にもかなり消耗が進み、平地に下ったあとはレーシングスピードを保てない。速度は20キロ台に落ちた。
 ハンガーノック直前、足柄駅前でようやくコンビニ発見。1000kcal補給。
 御殿場市街から箱根裏街道(国道138号線)を使って再び峠越えをして小田原にもどるルートで帰る。
 登坂中もレーシングスピードを意識するが、ちょっとヨレヨレ気味。下を向いてせっせとペダリングしていたら、後ろから、こんにちわ!と声をかけられ驚いた。コルナゴのレーサー乗りが追いついてきていた。
「東京からですかぁ?」
「いえ、小田原です」
「セマス(※セオサイクルのレーシングチーム。この日、チームジャージを着ていた)って、小田原にもあるんですか?」
 そんな話をしながら登坂する。誰か人がいると励みになりペースが上がるも気は楽である。コルナゴレーサーは御殿場の人で、今日は2005年の走り納めだという。
「走んないと太っちゃいますからね」
 そう言って彼は長尾峠方面に折れて行った。
 箱根裏街道の頂点はトンネルだった。歩道がないので命がけ。もう通ることはないだろう。トンネルを抜けてちょっと行くと峠の茶屋があった。
 箱根裏街道も無着陸横断成功。登坂距離7.4km、登坂高度347m、最高高度765m、最大勾配10%、平均勾配5%、タイム26分47秒。
 ここから下りだがクルマの渋滞がすごかった。いやはや紅葉はチャリに限る。
 小田原に帰還すると、ツーデーマーチのゼッケンをつけた人たちがたくさん歩いていた。
 全走行:79km
 全登坂高度:1369m
 所要時間:4時間強
 最高速度:67km/h

*1:ヤビツ峠無着陸登坂の記事は、id:cippillo:20051103:p1