『人のセックスを笑うな』山崎ナオコーラ

オレは昔、かっこよくなりたい、筋肉を付けたい、としきりに考えていたが、今はゆがみたかった。


話題を呼んだタイトルとペンネームで文芸賞デビューをし、同作はそのまま芥川賞候補になった。
タイトルとペンネームの奇抜さとは打ってかわって、作品の内容、文体は古典的ともいえるほどマットウである。19歳の男の子と39歳の既婚女教師との短かくせつない恋は予告なしにはじまり、唐突に終わる。