内田「恋愛で私と同じような性分の人もよく聞くんですけど、彼氏のいない時期がないっていうのが共通点みたいで。二人目の男が現れたくらいのときに、前の人に不誠実なことが起こると、その二人目の人との関係が立ち上がってきて、で、前の人とお別れするっていうパターンで、端境期がない。間が空かないんです。」
よしもと「そういや、私も間が空かなかったな。」
内田「じゃ、重なってる時期もあるでしょ?」
よしもと「重なってる時期なんて、三日ぐらいですよ。」
内田「み、三日!? 決断速いね。」
(中略)
よしもと「っていうか、もうダメだな、と思ってるわけですよ、二人の歴史の後半は。あんたもダメだなと思ってたでしょ?とこっちは思うわけだけど、そういう相手にかぎって、「ダメだとは思ってなかった」って言うんですよ。まぁ、それが男の人というものなのかもしれないけど。」
内田「そんなつもりじゃなかった」とか言い出すんですよね。
よしもと「うまく行っていると思ってたのに」みたいなことを言うから。
内田「そうだね(笑)!」
よしもと「そう出られると「なんだと!」みたいなことになって(笑)、結局・・。」
娼婦然としつづける内田春菊と、文学少女然をつづけるよしもとばななの対談。組み合わせのギャップに驚いて読んでみたが、毒っ気においては実は内田よりもばななの方が上ではないかと思わされた。
しかしながら、女から見ると、男はほんとうに馬鹿に見えるらしい。男から見ると女の馬鹿なところだって目につくが、お互いに視座が完全にズレているから、北朝鮮と日本の外交交渉みたいなもので、おもしろいのかもしれない。