旅情のブルトレ仕様車

 なぜにこれほどにボロ軽商用車が愛おしいのか。
 なぜに、このクルマはこれほど旅情を誘うのか。
 酒匂川大橋をてくてく走っているとき、鉄道橋を渡る列車を見て、ああ、と気がついた。
 ブルートレインなんだ。旧型のまるっこいブルートレイン。夜の高速道路を遠征先にむけてゆっくり走る夜行列車。


 思いたって、ホイルを換えた。元の無骨な鉄ホイールも捨てがたかったが、ブルトレの台車っぽいホイールにしてみようと思ったわけだ。
 オートバイクでいうダイマグタイプがごつくて商用車には似合うかと思ったが、ブルトレっぽさを出すため、マルケタイプにした。自転車みたいな細いスポークが弱々しくてよい。ブロンズカラーは、ちょっと錆びた台車のイメージ。しかしこのホイール、ピレリのタイヤつきで1本1万ちょっとである。今までのがトラック用タイヤだったので、乗用車のタイヤの乗り心地のいいことにびっくりした。
 サイズは、とりうる選択肢のなかでいちばん小さい13インチ。ホイールは大きい方がクルマ的にはカッコいいのかもしれないが、ブルートレインなら車輪は目立ってはいけない。
 ステッカーチューンをシミュレートしたのが写真である。上野と札幌を結ぶブルートレイン「北斗星」の車両デザインを再現した。
 そして気がついた。
 そういえばこんなクルマ、昔乗ってたような。