トレイルランとトレイルバイク

 毎日、山の地図を眺めるのが楽しみである。
 学生時代は二輪車ツーリングマップルを飽くことなく眺めては、オートバイクで走りに行く生活だったが、それが今は山の地図になった。
 箱根、足柄、丹沢に囲まれた小田原は、まさに登山道の宝庫で、全部制覇しようと思ったら何年もかかりそう。地図を見ているだけで、胸が高鳴ってくる。
 山の地図がおもしろいなあと思うのは、ポイントごとの距離が「距離」ではなくて「時間」で表示されていること。一本の道でも、登りと下りとでは時間が異なる。
 最近のランニングコースを地図で見ると100分となっている。今日はここを27分で通過した。いつも走り慣れている道なので極端に速いとはいえ、ランニングでいけばだいたい地図が表示する時間の半分ぐらいで進めそうである。
 山の地図には、「水」というマークもある。水は基本的には背負っていくが、距離が長くなるときには、補給場所もだいじなのである。
 あとは駐車場マーク。意外に少ない。登山道入口までチャリで行ければ最強だが、なかなかその域には・・というときに、オートバイクに思いあたった。トレイルバイクなら、適当なとこまで進んで、適当に停めておける。登山靴と山岳ザックを背負ったままで乗っても、違和感がない。
 トレイルバイク+トレイルランニングのスタイルで、箱根、丹沢、足柄を攻めまくろう。


 さて、オートバイクであるが、トレイル車といえば代名詞はヤマハのセロー。間違いのない選択であるが、フロントタイヤがチューブタイプ。パンク修理が面倒。
 カワサキから出ているシェルパは、大好きなライムグリーンもラインナップされているし、これまた大好きなKLXベースのエンジンである。KLXはかつて所有していたことがあるが、とにかく好きなオフ車だった。(KLX250:市原家歴代バイク目録
 ホンダ車で気になるのは、じゃっかんトレイルとは異なるが、FTR。トリコロールは、これまた大好きだったCB1100Rを彷彿させ、新車で手に入るところもよい。ただ、ハンドル幅が広すぎるのと、きれいすぎてワイルドに使うのに障壁となりそうなので、悩んでいる。
 でも、もうほとんど最大候補は決まっていた。同じくホンダから20年前に出ていたAX-1というオートバイク。
 前後チューブレス。幅の狭いハンドル。純正でキャリアがついていて、エンジンはコストがかかりすぎて販売継続が不可能と噂された高性能水冷エンジン
 いやじつは昔、これを所有していた。友人と日光に行った時、往路で退屈しのぎにバイクを交換したら、あまりにおもしろくて、けっきょく帰還するまで返さなかったばかりか、ほどなく自分で買ってしまったというオチつき。(AX-1:市原家歴代バイク目録


 しかしこのオートバイク、買ってすぐに盗まれてしまい、ずっと心残りになっていた。不完全燃焼のまま心がぶすぶすとたぎっていたところに、トレイル車探しがはじまったのである。
 レッドバロンで中古車を探してもらったところ、盗まれたやつと同じ、往時の峠小僧憧れのロスマンズカラー(?)が出てきた。距離も2万キロ、年式も古く、値段は高いが、週末にモノを運んできて見せてくれるというので、おそらくそのまま契約となりそうだ。新車のFTRもちょっと気になる。フレディ・スペンサーのヘルメットも持っているし。