府中宿は今の静岡市。
お城のある町はいい町です。気候もいいし。
まずは駿府城を横目に走ります。
そういえばこの石垣、地震で崩れたんですよね。もう修復されたのかな。
市街地を西に走ると、まもなく安倍川の鉄橋が見えてきます。
橋のたもとには、「あべかわ餅」ののぼり。
前方に見えるおじさんですが、拡大して見てみてください。背中に、いぬを二匹せおってます。かわいい。
宇津谷峠を目の前に仰ぎながら、丸子川沿いを上っていく道。太平洋岸自転車道に指定されている遊歩道。峠越えへの気分が高まってくる道ですね。
川に沿って少し登ると、丸子宿です。広重の絵にも描かれている茶屋は今も健在。名物はとろろ汁。
上り基調の国道1号線をそのまま行くと高速道路なみの高規格なトンネルに入ってしまいます。クルマなら、なにも考えずに数十秒したらトンネルを抜けてしまうんでしょうが、このトンネルの脇には、道の駅からひっそりと側道が出ており、東海道有数のハイライトスポットである宇津ノ谷峠へと進むのです。
ほとんどのドライバーは気づかないと思いますが、トンネルのすぐ脇には、こんな光景が残っています。
旧道の峠の起点には風情豊かな集落がたたずんでいます。
トンネルを迂回する旧道にも四種類あり、
いちばん古い「蔦の細道」はさいきんになってハイキングコースとして復元されました。
ふたつめは江戸時代の東海道。
みっつめは明治時代のトンネルルート。
よっつめは大正時代のトンネルルート。
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宇津ノ谷峠を越えるとふたたび高規格幹線国道1号に合流しますが、すぐにまた旧道へと離脱します。この旧道を下っていくと、まもなく岡部宿。
ここでは広重の絵のアングルの奇抜さに驚かされます。岡部宿を遠景に見て、山にはさまれた狭い谷間に街道と川が流れています。全体を見下ろす視点ですが、写真では反対に宿場側から山を見上げていて、絵でなければ実現できない構成かもしれません。
下り基調の道が終わると、再び長い平坦路となり、市街地らしくなってくれば藤枝宿はもうすぐ。
広重の絵ではめずらしく、宿場内の点景。藤枝宿は今ではふつうの商店街の風景ではありますが、よく見ると歩道の上のマンホールや電柱のノボリなどが宿場を主張していたり。
藤枝では市街地の中にある蓮華寺池でのびのびと休憩できます。
藤枝から島田のあいだは延々と市街地の中の変化のない国道を走る感じです。ちょっと忍耐。
島田宿は、東海道最大の難所のひとつ、大井川越えの待機宿でもあります。
「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」
増水したときなどは、旅人たちは何日もここで足止めされました。
島田には宿場のおもかげはほとんど残っていませんが、注意深く町を歩くと、東海道の案内板や歩道に埋め込まれた目印などを見つけることができます。さて、この日のランニングはここまで。39kmの行程でした。