モノに対する考察

 今までキャンプといえば誰かにまかせてきて、のほほんとしてきた。
 火おこしは男性の野生心理が何とかとかで、みな、いやそのやり方は違う、こうじゃない、ああじゃないと、火おこしの技術を披瀝しあう。俺はめんどくさいので、いつものほほんと横で煙草を吸っている。というのは嘘で、ほんとはちょっと火おこしもやってみたいんだけれども、俺のような素人がやると、みなにへへへんと笑われて横取りされるのがオチなので、いつからか手をださないようになっていた。
 が、今回はすべて自分でやるしかない。自分探しの旅なのである。というのは嘘だけど、今日は北海道にいるんだから正直に発言しようと思う。で、自分でやるしかないというのはほんとうなので、準備に一ヶ月をかけてきたが、いざはじまってみてからブラッシュアップしていけばいいと思っていた。
 昨晩のキャンピングからの反省とブラッシュアップ項目。
 
●キャンプ設営地には遅くても午後3時までに入ること。松戸にいるときとは違って、食うこと、寝ることはコンビニエントにはいかないのだ。
●炭を使うなら現実的には七輪かコンロは必要。石とかで工夫してかまどをつくろうなんていうのは、現実的には難しい。芝生をいためるし、でかい石がない。
●ランタンの他にマグライトは必要。できれば手で持たなくてもいいやつ。照らしながら作業ができるように。酔っぱらってテントにもどる途中、誰かのテントのひもにひっかかった。
●カニの反省から、ハードタイプのウォータータンクが必要。水は常備し、ハンズフリーで水が出るタイプのものがよい。持ってきたソフトタイプだと、常備できないし、手や何かを洗いたいときも手で持たなければならないので洗えない。
●子ども用サンダル・・寒いだろうと思ってクツを強要してきたが、キャンプ場では濡れた草でびしょびしょになるので、かえってサンダルの方が寒くない。
 
 以上の項目を念頭に、長万部市街地をぐるぐる走り、ホームセンターを探す。歩いていたふたりづれのお姉ちゃんに、ホームセンターある? と訊くと、
「ホームセンター????」
 と顔を見合わす。
「キャンプ用品とか、電化製品とか、日常生活品がおいてあって、どかーっとでかい店」
 ふたりは協議をしつつ、ああそれじゃ×××のことじゃない? ということに落ち着いて、×××がよく聞き取れなかったのだが、関東人がホームセンターと呼ぶところの店に無事行き着くことができた。