能登の野営旅2

■8月13日(日)
 松戸の実家に、有田と香西がいっしょに泊まっていった。
 香西は仕事があるらしく、始発で三鷹に帰り、うちの父親も交えて有田とは昼も飲んだ。
 昼にワイフが仕事で都内に行き、夕方、有田は関西に帰っていった。
 夜は父親とまた宴会した。

■8月14日(月)
 午前3時半、松戸を出立。
 能生(新潟県)で高速を降りて朝食。
 日本海に面する能生には、カニヤ横丁という道の駅があり、朝8時前だというのに人とクルマがあふれ、みながみな、残骸の山をつくってカニにむしゃぶりついている。
 ここで売っているベニズワイは水っぽいが、鮮度が高いのでけっこう美味い。1パイ千円のを2ハイ買ったら、おまけで2ハイつけてくれた。ベンチで4ハイのベニズワイを消尽。
 下道でキャンプ場を物色しながら富山県を抜けて石川県へ。
 どこも人がいっぱいで、なかなかいいキャンプ場がない。
 有名な、なぎさドライブウェイ側の能登半島を北上し、富来(とぎ・石川県)でやっと絶佳キャンプ場を見つけた。小田原で海慣れしているマドカでも、思わず駆けだしてしまうような青松白砂。いや、実際、うわーいと言って駆けだしてしまったのは僕だ。透き通ったエメラルド色の遠浅。打ち寄せる波は高さ2センチほどで、きめの細かい砂を音もなく洗っている。小田原の海水プールの方がよほど波がある。
 じつに絶佳な浜辺であったが、キャンプ場は予約でいっぱいとのこと。近くの高台をあたったら、2つキャンプサイトがあいていたが、受付は最初の浜辺のキャンプ場とのこと。もどると、キャンセルがひとつ入って運良く入れてもらった。
 もう日もかたむきはじめていたので、海には入らず、世界一長いというベンチまでランニング。帰りに買い物。富来町のスーパーとホームセンターで必要物資を調達。食材はあまりめぼしいものがなく、レトルトカレーにした。
 炊事は手際がわるいので、レトルトだというのに、食い終えると真っ暗になっていた。ハンゴウ炊飯は久しぶりだったが、炊き加減だけは偶然にもうまくいった。これで飯がうまく炊けていなかったら悲劇であった。
 近くの温泉に行き、ひとだんらくしたのが午後9時。
 降りかかりそうな星空は、最初、頭上の松の木にホタルがたくさんとまっているのかと思ったほど。
「波の音さえしないね」
 月明かりを受けて、鏡のような湾に漁火がぼんぼりのように漂っていた。


●今日の修練:ラン5km