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痩せた絞った野尻湖耐乏合宿(2)

走る


 今回は自転車を持ってきていないため、チャリ練はもっぱら足漕ぎボートである。
 これがつらい。
 チャリなら時速40kmは、という勢いで漕いだところで、歩くような速度しかでない。入力と出力のギャップがこたえる。身をかがめた窮屈な船内は、まるでDHポジションである。
 2時間レンタルしたが、1時間が限界。沖に出ると風も強く、戻れってこれないかと思った。


 総決算は弁天島までの往復2kmの横断スイム。
 途中、遊覧船の航路を横切るため、手漕ぎボートによるサポートを妻子に頼んでのぞんだ。
 しかし弁天島まであと少しというところで、赤いモーターボートが進路を塞いで停船。乗っている人が手を大きくバツにして叫んでいる。
 遊泳禁止。航行している船からまったく見えないので危険とのこと。
 あれと思って後ろを振り返ると、サポートボートははるか後方。
 プレジャーボートや遊覧船の行き交う海域の単独横断など自殺行為だ。素直に従って引き返すも、心残りは積もり、バス釣りのボートがひしめく中で鬱憤晴らしのバタフライ。妻子にはボート漕ぎの方も鍛練しておいてもらわないと。



 野尻湖を早朝に撤収。
 もうテント生活はしなくていいのかと思うと、心躍る。ワイフの奢りで温泉旅館に泊まるのだ。野沢温泉郷に向かう。
 途中、斑尾高原で軽くトレイル。
 とはいってもあくまでトレーニングなので、意味もなく重機材を背負い湿原ウォーク。






 野沢温泉郷はまさに桃源郷。
 13もの無料の共同浴場が点在し、温泉巡りランニング。湯温が高く、ぴりっと体が引き締まる。
 翌朝の登山道入口を確認しながらランニングしていると、長野オリンピックのスキージャンプ・ラージヒルの会場があった。隣の山では、マウンテンバイクのダウンヒルのコースになっているらしく、猛者どもがすごいスピードで山を下っていた。

 温泉宿の玄関前には足湯。その向かいには無料の共同浴場のひとつの「大湯」が見える(写真左の建物)。
 深夜まで通りには浴衣姿の善男善女がタオル一枚をひっかけて、かっぽれかっぽれと歩いていた。
 ひさびさの布団では、なぜかよく眠れなかった。野性をやりすぎたか。


 翌日は宿を早々に出て、林道経由で志賀高原へ。
 全10kmのゆるゆる湿原ウォーキングである。池めぐりコースを重機材を背負ってのぞんだ。









 このあと、さらに四十八池まで足を伸ばしたかったが、娘がダウン気味。ちょうどリフトに乗りたいと言っていたので、いいところに下りのリフトを見つけた。次に来るときは、ここを起点に残る四十八池たちを攻略しつつ志賀山(2,035m)も登攀したいものである。


 国道を歩いて木戸池まで戻ったはいいが、クルマを停めた駐車場までのバスがない。
 休憩所に妻子を残し、単独、元来た山道をひた走る。おもりにしていた機材を休憩所に置いてきたので、解き放たれた囚人さながら。家族で3時間かけた道のりを29分50秒で走り抜き、クルマで妻子を迎えに行ったときの彼女らの目はメシア(救世主)を見るかのようであった。こういうところで父の株を上げておくのである。
 この日は塩尻の健康センターに泊まった。評判のきわめて高い健康センターだが、噂にたがわず満足度の高い施設だった。
 翌日、南アルプス・夜叉神(やしゃじん)峠の往復2時間ほどのトレイルをはさんで、小田原に帰還した。