読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

韮太郎に会うなら雨の日に

伊豆半島の韮山に小さな野池がある。
韮山の城池だ。

この池には、韮太郎(にらたろう)がいる。
伊豆の名川として名高い狩野川にいた原生種の鮒を、地元の釣り師が移流して繁殖したらしい。
色はどす黒く、尾びれが異様に大きく、とてつもなく引きが強い。
この池での釣りは、通常よりもかなり太い糸を使うのが地元流。
2011年は最初の2回は一尾も釣れなかった。3度目の雨の日に、ついに韮太郎に出会えた。これがそのときの写真。

黒くて大きく張り出した尾びれと凶暴な顔つき。ふつう、ふなはかわいらしい顔つきなのに、韮太郎はホントに伊豆の固有種ではないかと思うほど。ふなの顔ではない。


4回目の釣行は2012年の5月初旬。
やはり雨の日。この日は2時間の釣りで、韮太郎が二尾。いずれも40cm級。その他、2回、糸を切られた。

上は1尾目の韮太郎。黒く顔つきが凶相。ウロコが大きく、くちびるも厚くてこわい。

2尾目の韮太郎。しかしこのひとは、へらぶなとの合いの子っぽい感じ。顔つきが韮太郎とは違うし体高がやや高い。口にはヒゲのようなものも。ワケが分からない魚である。韮太郎じゃなくて、半太郎かもしれない。静岡の人は半べら(マブナとヘラブナの合いの子)のことを、「半太郎」と呼ぶ。


本日、5回目の釣行。晴天。
同じ場所、同じ時間に釣りをしているのに、今までここでは釣ったことのない魚が釣れまくる。それは、へらぶな。

完全な新ベラ(放流されて間もないへらぶなのこと)である。地元の人にきいたら、3年連続でへらぶなを放流しているとのこと。

3時間で16尾も釣れたが、どれもへらぶなばかり。お目当ての韮太郎はいっこうにやって来ない。
お日様ものぼってきたので、もう帰ろうかと思ったとき、ウキがズドン!
16尺の竿がいっきにのされそうになる。
なんとかこらえて、やりとりすること5分余。
やっと韮太郎・・と思いきや、巨大なへらぶなだった。

韮太郎とちがって顔つきがやさしい。ひれも白っぽい透明感。ウロコの並びも細かい。
やっぱり、韮太郎に会うためには雨の日に。
そうそう。「韮太郎」という名前は僕が勝手に命名しただけなので、あしからず。