漁夫のブランチ

月曜、火曜の漁獲でじゅうぶん食べていけたので昨日と今日は休漁。
アラでとったスープはまだ今晩と明日の夕食分ぐらいはありそう。
休漁でも、日の出とともに目が覚めてしまうから、漁と同じく黎明から机仕事。
漁も机仕事も空腹で行う。腹が減っていないと漁なんかできない。血走った目で獲物を何キロでも漕いで追うのである。机仕事も満腹じゃだめだ。鋭敏さと獰猛さがちがう。
ふつうの会社の始業時刻は、漁夫にとっては昼飯どきだ。朝飯を抜いているからブランチ。
火曜に仕込んだオキエソの干物をいただく。

ナブラ撃ち


今朝も出漁する。午前4時10分出艇。
このところ釣況が悪く、さらに今朝は潮の流れが強すぎて釣りにならない。
長潮ということもあり、日の出から「下げ七分」のわずか1時間のチャンスに賭けたが、二度、アタリがあっただけ。午前6時には潮止まりとなり、今日は納竿かと思ったとき、左前方10m、何の前触れもなしに突如、ナブラがわいた。

このときのために用意しておいたナブラ撃ちスペシャルに持ち替え、一投目。
ノーバイト。
巻き上げているうちに、ナブラはあっという間に艇の後方20mへと移動。
神出鬼没のナブラだ。タイミングが命。
艇の向きをかえる暇もなく、バックキャスト。
後方で着水した感触と同時に、竿が絞られる。
見えないだけに焦った。後ろに向かって竿が曲がり、竿をかつぐようなかっこうになる。しかし魚に引っ張られて艇の向きが180度転回。
ここから勝負。
竿をしっかりと持ち直すが、糸を巻けない。
リールが唸りを上げて糸がどんどん出ていく。
ドラグを少しずつ締める。
それでも糸は止まらない。
艇が引っ張られる。
さらにドラグを締める。
いい案配、と思って巻き上げに集中していると、ふっと力が抜けた。
に、逃げられた・・。


家に帰って細君と朝食。一夜干しにしておいた昨日の獲物を焼いて食べた。
顔についた潮の味がなんともしょっぱい朝飯だった。

ナブラ撃ちスペシャル

いつわいて出るか分からないナブラのために、限られた艇内スペースを割くわけにはいかない。かといって神出鬼没のナブラに対して、迅速に遠投体勢をとらなければならない。両立させるために考えたのが、トラベルロッド。ふだんは50cmの状態にたたんでおき、いざ、ナブラ出現となれば数十秒で体勢がとれる。
エーテック社製のトラベルロッドはバットパワーもあり、40gまでのルアーやジグをキャストできる。またロッドの硬さを生かして、100g前後のジグを使ったバーチカルジギングにも対応できる。
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漁夫の主力機材


6月のなかばに、集合住宅カヤッカーの心強い味方であったCAPTAIN STAG社のインフレータブル(いわゆる空気を入れるやつ)カヤックコンバーチブル13」がパンクして出漁できなくなった。
すぐに横浜のカヤックショップへ修理に持ち込んだが、パンクした箇所がゴムの合わせ目のところだったため、修理可能かは微妙な回答。場合によってはチューブまるごと交換になるかもしれないとのこと。
エアチューブがムキだしのタイプではないので、外からの衝撃や擦れには強いのだが、たたんだり展開したりを日常的に繰り返す漁のようなヘヴィユースにはむかないようだ。あくまでもシーズンに数回出すといったレヂャー用とわりきった方がよさそうである。
後日、電話連絡でチューブ交換で部品代18,000円とのこと。これはこれで家族レヂャーにはもはや不可欠のアイテムとなっているので、迷わず修理を依頼した。
インフレータブルカヤックとして、この艇ほどオールマイティに使えて、しかもカッコいい艇はないと思う。パンクは痛かったが、用途が間違っていたと割り切る。しかしながら部品の都合でわるければ三ヶ月ほどかかるらしい。ああ、夏が終わってしまう・・。

キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) エアフレーム2コンバーチブルポンプ付 レッドコンバーチブル MC-1418

キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) エアフレーム2コンバーチブルポンプ付 レッドコンバーチブル MC-1418


漁は漁として割り切った艇を
漁であるから、基本は家の前の海にしか入らない。妻子を連れて行くこともない。
よって運搬性は割り切る。
耐久性重視でポリエチレン樹脂製の、一人乗りシットオントップ艇。
これなら、ハイエースの荷室にがこんと放りこむだけ。クルマの背面にスペースがとれない状況を想定して、サイドのスライドドアからも入れてみる実験をしたところバッチリ。


これを担いで国道を歩き、海岸への階段を上り降りするのはなかなかつらいが、固いものを肩の痛みに堪えて担ぐのは、神輿の担ぎ手としての鍛錬にちょうどよいと割り切る。


インフレータブル・カヤックのときは、手入れとか、たたみ方に気をつかったが、新艇で必要なのは気合と筋力だけである。波が高くなければ平日は毎朝でも漁に出ることができる。ただし土日祝はお休み。漁夫だからね。



赤モノDAYと青モノDAY


せっかくの大潮なのに台風が近づいているから、2日連続で出漁。
昨日はなぜか赤い魚(鯛系)ばっかり。

本日は青モノ(ハマチ)とカサゴ。
ブイヤベースの材料を買っていたので、なんとしてもカサゴと思っていたら、逃げ惑うイワシの大群がカヤックの下を通りすぎたので、すかさずイワシルアーを遠投したらハマチが食らいついてきた。しかしブイヤベースにはなんとしてもカサゴが必要なので場所を変えて1時間。やっとお目当てのカサゴが来たので帰投。
娘の登校前に帰ることができた。

おおいくんが来るので漁に出た

週末、高校時代の友人である「おおいくん」が名古屋から小田原に遊びに来ることになった。
おおいくんに、獲れたての地魚でも食わしてやりたいと思い、初めてひとりで漁に出た。

せっかく名古屋から出てきてくれるのだ。少し大ぶりの鯛(たい)でも、と、思ったが、釣れるのは食味はいまいちの「イトヨリ鯛」ばかり。鬼笠子が釣れたのはよかったが、いかんせん小さい。
一度、強烈な引きの魚がかかった。リールの糸がぐんぐん出て行って、まったく上がってこない。これは間違いなく真鯛であるぞと意気込んだら、針がはずれた。姿は見ずじまい。そのあと、前のほど強い引きではなかったが、やはり真鯛らしい魚をバラしてしまった。

けっきょく真鯛は釣れず、帰還。
イトヨリ鯛をうまく食う方法はないかと調べていたら、トマトソース煮がよいとあった。
細君とスーパーにトマトとニンニクを買いに行くと、鮮魚コーナーで細君が「おとーさん、おとーさん」と呼ぶ。
見ると、パックにつめられたイトヨリ鯛。和歌山産で880円。けっこうな高級魚ではないか。
出刃包丁も買い、トマトソース煮にしてもらったが、家人らには不評。小骨が多すぎるのだ。

けっきょく、おおいくんとは居酒屋に行った。


翌日、海が穏やかだったので、再び、ひとりで漁に出る。クルマで家を出るときに煙草に火をつけ、吸い終わらないうちに漁場に到着する近さだ。
すぐにイトヨリ鯛と小ぶりな真鯛が釣れたが、やっぱりこの日も鯛らしい引きのやつをバラしてしまった。どうも、何かが合っていない。しかしまあ、食べる分だけ釣ればよいので竿を納めて帰った。
手漕ぎのカヤックに、テンヤという日本古来の漁具という原始人のような漁ではあるが、なかなか奥が深い。


ひとりで2回、漁に出たが、昨年買った空気ポンプでふくらますカヤックが大活躍である。
ここは波がけっこうあたるし潮の流れも速いので、リジッド艇じゃないと厳しそうな漁場ではあるが、このカヤックは安定感も高く、空気で入れるタイプにしては珍しく、ちゃんと波を切り裂く形状をしており、少々の風や潮でもちゃんと進む。カヤックはひとりだと持ち運びもたいへんなのだが、このカヤックは2人乗りタイプでも19kgと軽く(1人乗りなら14kg)、肩掛けバッグに収納できるので、体を鍛えておけば、わりと気軽に舟を出せる。付属のエアーポンプも優秀で、カヤックの展開と撤収も10分以内で完了する点も重要である。集合住宅住まいでも部屋の中に入れておけるイチオシのカヤック
娘にも漁をさせたいので、娘用に一人乗りタイプもほしいなと思うこのごろである。
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