入校式と性格テスト

 今日は自動車教習所の入校式。
 みきわめとか、修了検定、仮免許、ディスカッション、卒業検定、効果測定・・そんな複雑な免許取得までのフローを聞いているうちに、早くも放擲(ほうてき)したくなってきた。
 つづいて適性検査という性格テストをやった。
 15年前にやったのとあまり問題は変わっていなかったが、自分の回答が180度変化したものもあった。最たるものは、
「誰もいない直線道路でスピードをだせば、気持ちがすかっとすると思いますか?」
 15年前は「いつもそう思う」だったのが、今回は「ぜんぜんそう思わない」に転向。
「いつも目立ちたいと思いますか?」
 「いつもそう思う」が、今回は「どちらともいえない」
「他人の運転を見て、よくあれで運転免許がとれたものだと思うことがありますか?」
 「いつもそう思う」が、「まったく思わない」に。
 こんな調子で、いくつかの問題に対して15年のあいだに大きな変化が見られた。はっきりいうと、じじくさくなっている。明らかな退行である。
 若さの特権である自分勝手さが影をひそめ、おっさんの特権である慎重さが票をのばした。マザーテレサがこのテストを受けたらどうなるのかなと一瞬思った。
 
 つづいて第一時間目の技能教習。模擬運転機械に乗った。アクセルとブレーキとクラッチの位置と足の使い方、ステアリングのまわし方を教わった。アクセルが右で、ブレーキが真ん中、クラッチが左。とっさに間違わないだろうか。アクセルが右でブレーキが左で・・違うってば。
 教習のときは、毎回免許を見せなければならない。大型二輪のゴールド免許は、青春時代にさんざん当局から逃げまくって獲得したものだが、35歳の俺はもう逃げも隠れもしない。免許を裏表して見た教官は言った。
「このトシまで、何やってたの?」
「どうも眠ってたみたいです」