常に負け犬の気分

「君は成功した。勝者だ」と言われるが、僕は常に負け犬の気分だ。薬を買う金がないだけで人々が死んでいく今の世界で、誰が勝者になれるというのだろう。
(ボノ 朝日新聞「ひと」欄)

ここでいう薬というのは、ヤクのことではないし、負け犬といっているのも、けっして独身30台OLへの応援をこめているわけではない。U2のボノさんは、貧困で日々多くの命が消えているアフリカの支援をライフワークにしている。
昨今の日本でもすっかり定着した勝ち負け判定。が、ここでボノさんが言っているのは、そういう勝ち負けをあてはめたがる風潮も含めてのようにもみえる。