ひさびさに、ふとんで寝る

 たたみに敷かれたふとん。刑務所を出所した無骨な男が静かに頬を寄せ、香りと感触を確かめるように目を閉じる。
「幸せの黄色いハンカチ」で高倉健が演じたシーンが印象的である。
 わが家も一ヶ月ぶりに、クリーニング屋からふとんが帰ってきて、寝袋生活から脱した。
「ふとんって、いいね」と、かわるがわる顔をすりつける家族。
 今は21世紀である。