初フルマラソンはイチゴで完走作戦

 ここ一年は、よく○○から、「××を走っていませんでした?」と訊かれる。
 ○○には、不動産屋さん、マンション住人、娘の同級生、スポーツクラブのスタッフ、などが入る。
 ××には、小田原のどこそこを中心に、平塚、松田、箱根など、比較的広範囲なエリア名が入る。
 ランニングのときは、チャリの娘を引き連れて走っているので目立つのかもしれない。
 小さい町なので、どこかで誰かに目撃されている。
 すると、床屋に行っても、泳ぎに行っても、通りで誰かに会っても必ず訊かれることがある。
東京マラソンどうでした?」
「湘南マラソンでたんでしょ?」
 この記念すべき第1回を飾る大人気の国際大会のいずれも出ていないと、みな不思議がって理由を求める。
 競技のためでなくて、ただ好きこのんで走っているという人間も世の中にいるということは、どうやら可能性としてあまり認められていないらしい。
 競技に出るときもあるが、それは朋輩と愉快に遊べる大会(ほとんど打ち上げが目的)か、風光明媚な遠方の大会(つまり家族旅行のダシ)、あるいは激しくチャレーンジ精神を刺激される大会、そして、なんといっても食い物に魅力のある大会!
 今週末に、初フルマラソン完走をかけて参戦する掛川・新茶マラソンのエイドステーションは、な、なんと地元のフルーツ食い放題!!


18km地点給水所・・イチゴとバナナ食い放題!
24.5km地点給水所・・オレンジとバナナ食い放題!
33.6km地点給水所・・メロンとバナナ食い放題!
40km地点給水所・・キウイとオレンジとバナナ食い放題!


 なんか、すんごく燃えてきました!!
 途中通過ポイントの関門(時間制限)が厳しいので、緻密に作戦を練る必要アリ。
 静岡といえばやはりイチゴ。18kmエイドでイチゴを5分間、いやイチゴ狩りに行って5分限定とか言われたら本気で殺気だっちゃいそうだし、せめて10分間はほしいものである。そしたらやはり食後に5分ぐらいは休みたい。バナナはいつでも食えるから、けっして手を出してはいけない。イチゴだ、イチゴ。
 次の24kmポイントのオレンジは軽くほおばる程度にしておくこと。関門を越えられなければ、残るメロンステーションとキウイステーションを棒を振ることになる。それだけは絶対に避けねばならぬ。ということで10分。
 33kmポイントのメロン。いっちゃうでしょー、やっぱ! ここは休憩をかねて15分間ぐらい食いまくろう。15分食後休み。バナナに手を出すな。
 40kmポイントは大好きなキウイちゃん。もう最後の食い放題だし、思い切って35分あげましょう。でもバナナに手をだしちゃだめ。食後休みは30分。食ってすぐ走ると、おなかが痛くなるからね。
 そしてあとは何とか這ってでも2km進めば、ほら、気がつけばフルマラソン完走である。
 エイドステーションでの滞在時間を合計すると、きっかり2時間。制限時間が5時間だから、実走時間は3時間。
 なんと、これでは市民ランナーの勲章「サブスリー」達成ではないか。
 われながら、みごとな作戦である。
 さて、4月15日の大会にむけて、おいしいイチゴの収穫たのみますよ。