出発前夜祭の人生ベスト記録

 レーシング・ゴーグルを買った。今まではホームセンターでテキトーに買ったゴーグルばかりだったが、はじめてスポーツショップで相談して買った。掛川の初フルマラソンの前に、シューズを選んでくれた女性店員がいたので、フルマラソン完走の報告がてら、アイヤーンマンの相談をして勧められたゴーグルである。
「フルマラソンのつぎは、オープンウォータスイムなんですか?」と訊かれ、
「アイヤーンマンなんです」と応えると、
「えっ、アスリートだったんですね」と言われ、アスリートではなくって、バトルツアラー・・と、言ったところで分かってもらえるはずもなく。でも、ほんとに、アスリートではなく、バトルツアラー。
 レース当日の予報は雨。視界のきかない中で、遠方の島をつねに方角確認しながらのレース展開。万が一晴れてもぎりぎりだいじょうぶなラインのレンズカラーで、水面抵抗の少ないゴーグルを選んでもらった。でも、それはただの雑誌的言説。
 本音、僕レベルのスイマーにとってはゴーグルの違いなんて、たぶんどうでもいいことなんだけど、とにかく、この女の子に託宣に身をゆだねるのがだいじ。フルマラソン以来のゲンかつぎ。どの人間にも、ある特殊な方向性において相性のいい感性は存在する。相手が小娘だろうが、知識があろうがなかろうが、言ってることがおかしかろうがなんだろうが、さらに経験なんかさておいて、とにもかくにも、こいつの言うとおりにする、と腹をくくる。ただ、我流人生の直感。
 この一日、なんだかんだいって仕事に追われ、時間に窮していたが、1時間だけスポーツクラブに。さすがに最後の3種目トレだろう。スイム1000m、チャリ7km、ラン5km。
 ランは5km人生最高速の18分13秒をマーク。仕上がりの完璧さ如実。
 家に帰るとゴミが気になる。曜日ごとのゴミを、貼り紙をつけて仕分けしておく。小田原はゴミを出しそびれると、一ヶ月泣くことになる。僕のいないあいだが心配だ。
 夕食は娘とふたりで大好きな居酒屋・大学酒蔵へ。シメはサザエのつくり(写真)。ほとんど、バトルロワイヤルってな感じのサザエ刺身。
 おやすみ。朝には出発だ。