経済のしつもん

 最近の若い人は、バブル時代に若者だった僕たちとちがって、宵越しの金持たずと酒とかクルマとかバイクにぱあああっと消尽するようなことをせず、ちゃんと貯金している人が多いというのを新聞で読んだ。
 偉いものである。
 などと人ごとのように感心している場合ではなくて、世界は物価高騰の波にもまれはじめているし、せめて子どもが大きくなるまで貯金なんかした方がいいのかなと思ったとして、はたと立ち止まった。


 爪に火を灯すキリツメ生活で10年かけて100万円貯めたとする。
 でも物価高騰が進み、10年後がハイパーインフレーションに陥り1万円でサンマ1本にしかならないとしたら、たぶんそれはそれで人間はなんとか生きていくんだろうけど、がんばって貯めた100万円の方はなんとも虚しい。


 虚しいから、今のうちに100万円の借金をしてハスクバーナを買ったとする。10年後に100万円の価値がサンマ1本になっても、借りた額は100万円だから、サンマ1本分で返済完了、金利としてもう1本サンマ奮発しますよ、で済んでしまうのでしょうか。


 この事例に出てきた人は、やっぱりハスクバーナを買った方がいいのでしょうか。
 あくまで世界経済についてのしつもんです。