10年前の今日は。

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2006年2月3日は、初めて水彩絵の具を導入した日でした。
今年、水彩画10周年ということで、好きな色だけをバラ売りでチョイスしたマイセットで絵の具を新調。英国名門のウィンザー&ニュートン社と、緑系の発色が美しいラウニーをまじえながら国産のホルベイン社製を中心にそろえました。

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発色をひとつひとつ確認しながら、用途にあった色を買い足し、持ち運び用にも自分で厳選した12色セットもつくりました。(下写真)奥に見えるのは10年たった初心者用絵の具。あまり減ってませんね。これは娘か姪にあげることになるでしょう。

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プロ用の水彩絵の具は一色の色の大きさがブランドにかかわらずほぼ同じなので、サップグリーンはラウニー社、セピアはウィンザー社、といったふうに自分の好みの色ごとにメーカーを選んでパッケージングできるのがいいですね。
ただ、専門家用水彩絵の具は、ぱっと見た目の色がイメージしにくい欠点があります。これは配置を工夫したり地道に色見本を自分でつくりながら覚えていくしかないようです。

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作った色見本を机の横に立てかけています。色の位置を置き替えるたびに色見本も作り替えます。作風の成長につれ、使う色も変わってくるし、使う色が固定化してきてしまうので、新しい空気を入れるためにも色見本の作り替えはなかなか有効なのです。
10年前に買ったホルベイン社製の初心者用水彩絵の具は、価格も安く、蓋の裏側のパレットがホーロー製で耐久性もあり、何より、ぱっと見たときに色のイメージがしやすく、色の名前まで絵の具の横に印刷してくれているので、最初にこれに出会えてよかったと思います。さすがロングセラー商品。今も現行品として買えます。

上は透明水彩ですが、不透明水彩の24色セットというのもあるんですね。不透明水彩も、部分部分で使ってみたいと思っているので欲しくなってしまいました。

筆とペンも10年選手。

最近は下絵を鉛筆で描いたり、筆ペンで描いたり、そもそも下書きをしなかったり、あまりこだわっていませんが、絵を描くのががぜん楽しくなったのは、ピグマグラフィックスと出会えたおかげといっても過言ではありません。

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これもロングセラーで現役で購入できます。10年前はNOUVELというブランドでしたが現在はサクラクレパスになっていますね。ただ製品は見た目も中味も同じようです。
0.1、0.2、0.3、0.5、0.8をよく使うので太さごとに縦型のペン立てに入れています。ペンキャップの先に記されている太さの表示が見えるので重宝です。

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筆も10年前と同じものを10周年ということで買い足しました。
これもロングセラー商品ですねえ。筆も10年でいろいろ試しましたが、最初にちょっとがんばって買ったこの筆がいちばんしっくりきました。とはいっても、この筆より高価なものは、まだ使ったことがありません。

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ナムラ筆  特選 東紅 大

ナムラ筆 特選 東紅 大


ということで10年たちました。早い早い。

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販売歴50年以上のロングライフデザイン。

「ものを新しく作らない」ロングライフデザインのアイテム群。

半世紀、つまり50年間売られつづけている定番商品を中心に品揃え。
また日本各地の地方にもフォーカスし、その土地の風土や歴史から掘り起こし、ものづくりや商品に結びつけていく姿勢が素晴らしい。

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また、デザインリサイクルと称し、廃材や廃家具を利用した商品も。上の写真はモンキーの廃シートを利用したスツール
個人的には加熱のみに機能を絞って、インターフェイスはダイヤルひとつだけ、かつ、堅牢なステンレス材の業務用電子レンジを販売してほしい。家電販売店では、余計な機能や複雑なボタン類が並んだ商品ばかり。どうして至極シンプルな選択肢がないのか。

www.d-department.com

悼む人(ネリケシ)

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悼む人〈上〉 (文春文庫)

悼む人〈上〉 (文春文庫)

悼む人〈下〉 (文春文庫)

悼む人〈下〉 (文春文庫)

悼む人ブーム

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小説「悼む人」が執筆開始されたのは10年前。
その後、日本は震災や国際テロを経て時代が追いついてきたのか。この原作が映画化され、川崎の少年事件のニュースでも、無関係に現地で悼む人の姿が多く見られた。

悼む人の観光化かと思ったが「無関係に悼む」という行為は、グローバル時代に他国、他宗教、他人を想像し受け入れ寛容な世界へとつなぐ祈りなのかもしれない。

 

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悼む人〈上〉 (文春文庫)

悼む人〈上〉 (文春文庫)


悼む人〈下〉 (文春文庫)

悼む人〈下〉 (文春文庫)


悼む人

悼む人

ニッポンの成熟を感じた二発

新聞に出ていた注目商品から。

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枯山水ボードゲームがヒット

加齢臭がしそうなパッケージがウケているとか。勝者のない美の追求。庭は神が遊ぶ場所。一瞬の光に仏を見る枯山水のココロ。まさに成熟。

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カワサキ・ニンジャにニューモデル。

まさかライムグリーンの250CC単気筒スポーツ車が脚光を浴びる時代が来るとは・・。ナナハンでスーパーバイクを席巻したグリーンモンスターも、こじんまりジャストサイズの成熟。

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枯山水(Stone Garden)/New Games Order/山田 空太

枯山水(Stone Garden)/New Games Order/山田 空太


うわ。これ、ほしい。

枯山水セット 竜眼石 小サイズ

枯山水セット 竜眼石 小サイズ

枯山水セット 竜眼石 大サイズ

枯山水セット 竜眼石 大サイズ

枯山水セット 竜眼石 中サイズ

枯山水セット 竜眼石 中サイズ

原爆の近さ

照りつける8月の太陽は、海の匂いのする7月の無邪気な光とは異なり、どこか戦争と原爆と日航機事故の影をはらんでいる。
死者を迎えるお盆とかさなるせいもあるだろう。

「日航機事故から28年」という新聞の見出し。
昨年の8月は27年だったし、その前は26年だ。あたりまえなのだが、実感としては、自分の記憶に鮮烈な事故から10年、せいぜい十数年程度しか経っていないように思える。それぐらい記憶に刻みついている。

事故後28年がピンと来ないのは、戦後68年という年月がぴんと来ないのと同じような感じだ。
ただ、鮮烈すぎてピンと来ない28年に対して、戦後の68年の方はあまりに遠すぎてピンと来ないという根本的な違いがある。
戦争も原爆も生まれたときから、ずっと遠い過去の出来事で、今なおピンと来ない。
しかし、あることに思いあたって愕然とした。
僕が生まれた年、つまり1970年は原爆投下後25年。日航機事故よりも近いではないか。
モノクロだった原爆の映像が、とつぜんカラーになって目の前に立ち現れた瞬間だった。

「子ども時代の憧れを、現代モデルで実現する」プロジェクト

小学時代の憧れ。
もちろん、1970年代生まれの皆さんは、ピンと来るスーパーカー世代。
考えてみれば、小学から男子たるものすべからくスーパーカー消しゴムを買いあさり、成人前後のバブル時代には踊るハネセン横目にブランドものの金ボタン、ラストモヒカンならぬ最後のイッキ飲み世代となり、何をやっても物欲と浪費から逃れられず時代の空気に翻弄されてきたわれわれも、やっと落ち着いてきたというか、体にガタがきはじめて、ちょっと消費疲れ・・。

「いや〜、車検通すまで乗ったことないんすよー」と言っていたクルマについても、今のハイエースになって初めての車検を経験し、今年で4度目の車検。もう壊れるまで買い替えしなくてもよいと思っているほど購買意欲は低い。

1年に最低2台は買い替えていたオートバイも、2010年に買った原付を最後に3年が経過。ここ数年、欲しい車種はあるにはあるのだが、近所で中古の出物が出てこないか気長にウォッチしている状況。

ただの消費疲れではない。
解脱したのである。
と、少しさびしげな目でうそぶいてみる。そう、強がりで負けず嫌いなわれわれの世代は、けっして金がないとはいわない。

さて、本題の「子ども時代の憧れを、現代モデルで実現する」プロジェクト。

購買意欲が著しく落ちてきた昨今の現状に思うのは、われわれの世代から物欲を奪えば何も残らないのではないかという怖れである。
まさに物欲が消費を支えバブリーな経済を動かし、そして物欲がわれわれの24時間タタカエマスカなエネルギーの源泉だったことは疑う余地もない。

また脱線したが、本題の「子ども時代の憧れを、現代モデルで実現する」プロジェクト、である。

スーパーカー世代たるわれわれ、徹底して横並びなわれわれが指向した頂上には、ランボルギーニカウンタックLP500Sが燦然と輝いていた。
これは赤でなければならない。
ミウラとか375がいいなんて鬱屈モノの所業であり、カブトムシのメスみたいな黄色のLP400の方がよいなんていえば、もうその時点で人生の王道からの脱落者とみなされるのだ。(小学生だというのに!)
今から考えるとミウラも375もイエローのLP400も・・実はまっとうな路線だなあなんて思うのだが、そう思うのもだめ。あくまでわれわれ世代は横並びに赤のLP500S、そう、頂点をめざさなければならない。

また脱線した。
それもそのはずで、今日は、待ちに待った6月。

「中学時代の憧れを、現代の機種で再現する」プロジェクトの決行日である。
微妙に改題してる? ははは。

ダイワから新ベイトリールが発売されるし、近所で待ちに待った中古バイクの出物が。
なんだリールかと思うなかれ。積年の夢想のマグマだまり。

中学のとき買えなかったものを、大人になって買ったダイワのベイトリール「マグサーボ」。
しかしこれは必ずしも憧れの実現ではなかったことに、あとで気づく。

今、往年のスーパーカーを乗っていると想像してみよう。
カッパ寿司の駐車場から、甲高いエギゾーストノートとともに勢いよく国道に飛び出す。寝そべるようなシートポジションの助手席には、まぶいブロンド。
順番待ちで店外にあふれだした男女がいっせいに振りむく。熱い視線。ちょっとキマッたかな〜という充足とは裏腹に、誰もが眉をひそめ、鼻をつまみ、ひとりの若い女がこう言う。うざ。

そう、これは実際にあったことで、このとき看取した。
30年前の憧れを30年後にかなえるためには、憧れの内容もちゃんと30年分進化させなければならない。つまり、われわれはもはや遺物となった過去の栄光ではなく、この今の頂点をめざさなければならないのである。

ということで、「小学時代の憧れを、現代の機種で再現する」プロジェクトにあてはめると、コレか。

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ランボルギーニ50周年アニバーサリーモデル。
3億円? 4億円?
とりあえず、小学生の憧れは後まわしね。

で、中学はこれ。

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左下が中学時代に買った廉価モデルで、左上がそのとき買えなかった本命を大人になってオークションで落としたもの。つまりLP500S。
右下は廉価モデルの現行版で、右上のものがこの6月発売のリール。
カラーリングが本命機種と同じオレンジで、マトリックス上のポジショニングがカンペキ。

今日のところはまだ発売されていなかった。

明日は勢いにのってオートバイも買いに、というか正確には見にいこうと思う。
中古の出物というのは、これ。

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何これ、新聞屋さん原付じゃんと思うなかれ。中古かと笑うなかれ。
いや、そのとおりなんだけど、クルマだとガソリン代高いしね。