脳は格下げだ

人間の体内にすむ常在菌の数は、体を構成する細胞数の10倍にのぼり、重さは平均で約1350グラム、つまり脳と同等かそれ以上ある。ヒトは一つの生態系でもあるのだ。
ナショナル・ジオグラフィック


人間のからだ全体だと、体内に生息するバクテリアは2kgにおよぶ。

1〜1.5kg。人間の腸の中で生息する細菌の総重量。500種類、100兆個にもなる。


「僕の体は僕のもの」という感覚は、僕の脳という一器官の妄想あるいは勘違いであって、人体が常在菌だけでも500種類、100兆個で総重量1kgの共同生活体と考えると、彼らの総意を無視することなんてできないのである。
太古に人体にとりこまれ、長く人間の体内で共生の道を歩んでいるミトコンドリアなんか、体を動かすエネルギーを生産してくれているわけだし(生産部門)、酸素とエネルギーを馬鹿食いしているわりには、たいした判断をしない脳に、独裁的な権限を与えていたことが恥ずかしい。これからは、もっと自分の体に意見を訊くようにします。

郷愁を誘う公共事業

53%・・全国に15万7千ある橋(15m以上)のうち、20年以内に改修の必要が出てくる橋の割合。

土砂がたまったダムをそのまま開放すると、ヘドロが吐き出され、海は死ぬ。ダムは原子炉と同じく、20世紀が生み出した取り返しのつかない産業廃棄物になるのではないか、と懸念しています。(中略)私は『競争の社会』から『共助の社会』へと国のかたちを変えていくべきだと思います。
五十嵐敬喜


今までの公共工事は、いわば懐かしい風物(自然や古いもの)を新しいものに置き換える行為であった。
これからは懐かしいものを取り戻していく公共工事を進めたらいいのではないか。新しい物はいつかは老朽化し後世に負の遺産として残される。後世が豊かに暮らせるよう、新しく物をつくることに慎重になり、不要な建造物は埋め戻して自然を増やしたり、古くなったものに手をかけて懐かしい感じに改修するなど、懐かしい景色を創造していくことにお金をかける公共事業。それなら、やることはいくらでも出てくるだろう。
なんといっても「無駄な公共事業」と言われないのがよい。
お金をかけて古くささを取り戻すなんてこと自体が、無駄を愛してないとできないことだから。

「確かな未来は、懐かしい風景の中にある」
柳生博

ピンタとクニマ

2012年、ロンサムジョージを最後に絶滅したと思われたピンタ島系ゾウガメだが、ほどなく、人の手で放されたらしき同種の末裔が他島で発見された。1940年に田沢湖で絶滅したはずが、70年ぶりに西湖で発見されたクニマスも人によって移された末裔。人間に滅ぼされ、人を介し別天地でひっそり生き延びた絶滅種たち。

非効率な牛肉

世界の肉の消費量比率。豚:鶏:牛が4:3:2。
日本における肉の購入量比率。豚:鶏:牛が5:3:2。
国内肉用牛の流通比率は和牛17.9%、国産牛23.2%、輸入牛58.8%
そして、肉1kgを生産するのに必要な穀物は、牛11kg、豚7kg、鶏4kg。
(2010年度)

鶏:豚:牛が7:2:1。
わが家の場合。