自動車運転教習5時限目(第一段階)

 この週末は、家の中でもひたすらハンドルくるくる踊りを行なってきたし、冷蔵庫にリポビタンDを取りに行くときだって、運転席のイメージ、右寄りを歩き、曲がるときはハンドルくるくる、冷蔵庫の前ではバックで車庫入れ。
「おとーさんって、ほんと、テッテーテキだからねえ」
 と、あきれ顔の家族を尻目にリポDを取りだすや、冷蔵庫の扉を10cm手前でいったん止め、ばたむと閉め、ドアロックの真似、シート調節、ミラー、ベルトとしゃかしゃかやり、エンジンかけてファイト一発リポビタンD!
 どうやらこれが効を奏し、本日5時限目の教習では、乗車から走りだしまでは体が自動的に動いた。苦手だったハンドルくるくるも何とかできるようになってきて、前輪と後輪をイメージした車幅感覚もなかなかいい感じ。なんといっても、せまいアパートの中で日がな夜もすがら走ってきたのだから、教習所の道路がでっかく見える。
 初教習の坂道発進、鬼門のバックも問題なし。
 時間が大量にあまったからといって、内緒でクランク、S字、狭路走行までやっちゃいましょうということになった。
「こ、こんなとこ、つっこむんですか?」
 S字の前でビビる俺に、教官は、
「いいのいいの。つっかえちゃってさ、切り返しでバックする練習なんだから」
「うしし。ではいきます」
 と、ハンドルくるくるくる。なんだ、アパート内イメージ走行よりも広いし、ラインが教本にでている青い線で見える、車幅感覚の神が突如、俺の中に降臨したかのように、わおおん、いけるいけるいけちゃうではないですかーっと、そのままクランク、狭路まで通過。
「あらら、切り返しの練習のつもりが、いっちゃいましたねえ」
「い、いっちゃいました」
 背もたれに汗びっしょり。さて次回はオートマ教習。オートマってどうやって乗るんだ?