小田原農道探索の面目躍如

 100kmマラソンのあとは、この日の最大の耐久レースとなることが予想される「小田原ナイト・アルコール耐久」に向け、NKロケッツのチーム6名が3台のクルマで富士スピードウェイをあとにした。
 休日ということもあり、国道246号は交通量が多く、この先の渋滞が予想される。すかさず右折。ここからは原チャリTZR50Rによる探索の成果である南足柄広域農道。ほとんど他車に会うこともなく、ひたすらワインディングロードを進む。ここをはじめて走るワイフは大喜び。嬉々として右に左にハンドルをまわす。
富士スピードウェイと勘違いしてるんじゃないかと思いましたよ」
 いっしょに走ったNKロケッツキャプテンが、あとでそう言っていた。
「後ろから見てて、ぜんぜんブレーキ踏まないんだもん」
「横で、ブレーキ踏むなぁって言う人がいるから」とワイフ。
「イチハラさん、寝てなかったんですか?」
「らんらんとしてましたよ、このひと」
 らんらんとしていた俺はほんとは運転を変わってもらいたかったのだが、彼女があまりに楽しそうだったので言いそびれてしまったのだ。そのかわり、鬱憤(うっぷん)を罵声に変えて飛ばした。ブレーキ踏むなぁ〜踏むのはアクセル、踏んだままツッこむんじゃぁ。トランクに積んだ自転車ががっこがっこいっている。ぼこぼこである。娘はぐっすり眠っている。小学2年生の女の子ではあるが、クルマ酔いは無縁である。北海道バトルツアーで鍛えられたのだ。(俺は今でもクルマ酔いする)