いろいろ降ってくる日

 祝砲の流れ弾が降ってきて死んだ人が5人。イラクでのできごと。
 コンビニ前の路上に降ってきた96枚の壱万円札。東京台東区でのできごと。
 空から中味の入ったジュース缶が降ってきてクルマの屋根がへこんだ。小田原、うちでのできごと。
 娘の小学校の個人面談から帰ってくると、マンション一階の店舗のおじさんが、おいでおいでをして、
「おたくのクルマ、へっこんじゃってるよ」
 スライドドアの上にあたるルーフの端あたりが、ぺっこりくぼんでいる。上からジュースの缶が降ってきたそうだ。なっちゃんオレンジの空き缶が転がっている。高層階に住んでいる子どもが誤って落としてしまったのだろう。
 空き缶でこんななっちゃうんですねえと感心して言ったら、落ちてきたときは、ずごーんっと激突、ジュースの中味が入っていたという。確かにルーフのエッジの部分がこれほどへこんでしまうのは、かなりの衝撃だったのだろう。
 もしこれが荷物の積み下ろしなんかしているときだったら、ストライク人生アウトであった。それでもしかし、イラクの祝砲で死んだ人の理不尽さに比べれば、かなりまともな死に方ではある。
 いやはや、人生いろいろ、降ってくるものいろいろ。