ピンクのまやかし

昨年末、クルマ業界に激震を走らせたピンククラウン。
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消費者も専門家も、まさに賛否両論まっぷたつ。
実は、業界では異例といえるマーケティング部主導のプロジェクト。
マーケティングとして見れば大成功といえそうだ。
ピンクに、トヨタがこのところ訴えている「RE BORN」への強い決意をこめたということ。
しかしそれだけでは歴史あるクラウンのピンク企画は通らない。
そこで、ガンコな開発陣にこう説明することにした。
これは、ただのピンクにあらず。メキシコ建築家ルイス・バラガンが造形する壁の色がモチーフなのです。
一同、納得・・というのは勝手な想像だけど、先日、医療系システムのインターフェイスデザインをオールピンクで作ったとき、社内プレビューで「まじ?」という反応だった。
あのとき、言うべきだった。
「これ、ただのピンクじゃなくて、ルイス・バラガン」
オレンジなら、
「ああ、これ、ゴッホですよ。ゴッホのオレンジ。ははは」
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アルマジロ

「日本は強力な軍事国家になるべきだ」と石原慎太郎。当然、徴兵制も。
福祉国家のイメージが強いデンマーク。実は徴兵制があると聞いて驚いた。
第二次大戦で戦わずドイツに占領された「恥」が今なお国民感情に残り、自由を脅かす「敵」を倒すために世界に派兵することが国民の誇り。しかしその誇りに対し、美しい戦争などないとデンマーク軍のアフガン派兵を描いたドキュメンタリー映画「アルマジロ」。

中学生っぽい道具で

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43歳になった。
今年はベイトキャスティングリールとパックロッドでの釣りをはじめた。
このスタイルは中学生以来だから30年ぶりだろうか。
あのとき、小遣いを貯めて買ったリールがダイワの進化系ベイトキャスティングリールだった。マグサーボというそのリールは電磁誘導を使ったテクノロジーの塊で、ショーウィンドーの中のそいつは光り輝いていた。本物は買えなくて、シリーズの廉価版が出たときに、喜びいさんで釣り具屋に走った。今でも持っていて、僕の持っている中でもっとも古いもののひとつになっている。
30年後、ダイワは電磁誘導のテクノロジー系の最新型リールを出した。先月、その廉価モデルが出たので、思わず買ってしまった。合わせて3000円のパックロッドも買った。つくりの安っぽさが、中学生のときを思いだして、なんとも懐かしい。というか、今どきの今どきの中学生(釣りをする希少な中学生)は、パックロッドなんかじゃなく、ちゃんとしたワンピースロッドを持っている。
今ではベイト用のパックロッドという商品自体が絶滅危惧種となっていて、3000円ながら良い物があってよかった。


ここ3年ほど管理釣り場ではなぜかめっきり釣れなくなったイワナ系の魚を狙い、雨の中、この道具とミノーという小魚を模した原始的なルアー1つだけで雨の中、3時間。
ついに岩陰から飛び出してきたイワナ系のブルックトラウト。
陸にあげ、カッパからケータイカメラを出そうとあたふたしていたら、するりと水の中に逃げていった。やむなく絵となった。



ダイワ(Daiwa) T3 MX 1016H-TW 860727

ダイワ(Daiwa) T3 MX 1016H-TW 860727

危ないホンネ

残業を認めることは、効率の悪い働き方を改善する絶好の機会を奪うのと同じだ。
トリンプ・インターナショナル元社長)

残業は趣味でやる分には楽しい。誰もいない深夜のオフィスで、だらだら仕事するのは、なかなかの贅沢である。しかし会社にとっては損失かもなあ。

「educaiton(教育)の語源はラテン語で引き出すという意味だという。私はずっと、指導を空のコップの中に何かを入れるものだと思っていたけど、違った。中に入ってないと引き出せない。だから、選手に気づかせてやればいいんだと」
岡田武史・元サッカー日本代表監督)

「気づき」を消費者に与える「気づきマーケティング」全盛の時代。確かに消費者を「educate」することが、新たな需要の創造につながっている。消費者の潜在的な購買の種を「引きずりだす」のだ。こわ。


「振り返ってみれば、お笑いの立ち位置はこの20年で大きく変わった。(中略)かつては芸能界でも下位とみられ、だからこそアウトサイダーとして社会に鋭く光を照射していたお笑いが、今ではメインの立場をとらされてしまったのだ。」
佐々木俊尚 ジャーナリスト)

上りつめたお笑い芸人、総理大臣より偉そうだもんなあ。


「わたしたちのようなオネエは世間のガス抜き役としてメディアで重宝されているのよ。だって、わたしたちが危ないホンネを言っても、『オカマが言ってるんだから』で済まされちゃうでしょう?」
ミッツ・マングローブ/女装家)

危ないホンネ、なかなか言えなくなったよなあ。殿様に危ないホンネを言えたのは、家老じゃなくて、道化だったとか、先日亡くなった山口昌男の論を思う。


道化の民俗学 (岩波現代文庫)

道化の民俗学 (岩波現代文庫)

ひさびさのタンデム

娘がオートバイに乗りたいというので、釣り竿をバックパックに入れて近くの野池に行った。往復で40km程度の道のりだったが、大きくなった娘との二人乗りだと原付では厳しすぎた。発進のたびにエンジンがうなりを上げる。

いつもいっしょに海に出ている漁友が教習所の先生をやっているので、来春になったらオートバイ免許を頼むつもりだ。

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