ゴミ(ODAWARAインプレッション2)

 地方は概してそうであるが、小田原もゴミルールは厳しい。8種類の分別に最初は戸惑った。しかも松戸なら週2で回収してくれた不燃ゴミ類が、ものによっては月に1回、多いものでも、せいぜい月2回。大量に出るプラスチックトレーは皿やカップよりもきれいに洗ってから出す習慣がついた。そうしなければ匂いと虫でたいへんなことになる。
 生ゴミは週2回。45リットルの市指定袋を使い、名前を書く。やはり水切り、小袋に入れてしっかり口を閉めていかないと、夏場は悲惨なことになる。ルール違反のゴミは回収してくれないが、松戸のように残留ゴミが積み重なることはない。ちゃんと回収できない理由を紙に書いて貼っておいてくれる。
 牛乳パックを洗って開いて干したり、ペットボトルをキャップ、ラベル、本体にバラして分別するようになったのも小田原に来てからだ。モノを買うときに、真っ先にゴミのことを考えるようになった。処理が面倒くさいから買うのをやめたり、ゴミの出ない代替品で済ませたり。最初はたいへんだったが、じき慣れる。
 分別が細かいので、大型の分別ゴミ箱を買おうかと思ったが、これを捨てるときのことを考えると面倒くさくてやめた。
 集合住宅でもないかぎり集積スペースというものはなく、ゴミは無造作に路上、歩道の植え込みに置かれる。カラスよけのネットはないし、前夜から出す人も多い。確かに1ヶ月間、町中でカラスを見ていない。平和そのものである。人を襲うカラスだけでなく、大群のムクドリの糞害までもが深刻だった松戸は何だったんだろう。
 小田原はぎりぎりのところで近郊都市化の荒廃を免れている前線だということを感じる。しかし周囲では急速に高層マンションの建築が進み、駅ビルも整備された。近郊都市の道へ着々と歩んでいる。俺もまた移入組。新しい小田原の変化に異を唱える権利はない。カラスが人を襲うようになったら、小田原を去るときだろう。